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高齢者の自動車運転について道路交通法が改正されました

2017/6/10
弁護士 尾田 智史

ニュースでも報道されているとおり、75歳以上の高齢運転者による死傷事故件数が増加しています。高齢化社会からすると当然の流れといえますが、これによって死傷者が増えるというのは何とか避けたい事態です。

そこで、道路交通法が改正され、75歳以上の高齢者の運転に関する内容が変更となりました(この改正は2017年3月12日から施行されています)。

75歳以上の高齢運転者には臨時認知機能検査・臨時高齢者講習が新設されるなどしており、また、医師の診断で認知症と判断された場合は運転免許の取り消し等の対象となることもあります。
事故を防止して他者の身体・生命の安全を守るという点からみると必要性は高いですが、75歳以上でも車を使わなければ移動できないような場所に住んでいるような方もいます。
誰かの権利を重視すれば他の権利が制限されるというのは様々な場面で起きていますが、そのバランスを取るというのがとても重要です。

 

75歳という設定でバランスが取れているのか、医師の認知症診断が担当する医師によって判断が異なり公平性を失わないか、そもそも医師の診断が適切に行われるのか、アルツハイマー型認知症にも軽度から重度があり軽度の場合にも免許取消にすべきといえるのか等の実務的な問題が考えられます。今後、実務の中で運用されていく中で、しっかりと検討されなければならないと問題ということで、紹介させていただきます。

 

弁護士 尾田 智史 弁護士

尾田 智史

プロフィール >>

弁護士
弁護士法人 池内総合法律事務所/共同代表

平成16年に弁護士登録をしてから、交通事故・学校事故・施設事故などを含む様々な事故、倒産事件、保険問題を数多く扱うとともに、幅広く商事法務・一般民事事件を取り扱っている。

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